官兵衛がいない羽柴軍は弱い

先に褒めた分、ここからは、けなさせてもらいます、

 

松本潤が主演どころか大河初出演ゆえの不安感なのか。今作は「利家とまつ」の松嶋菜々子、『軍師官兵衛」の岡田准一、『平清盛』の松山ケンイチといった主役経験者が脇を固めて重要な役割を見せてくれてます。

 

もっと個人的には、変人を演じさせたら日本一の役者だと思っている山田孝之がいなかったら、見てなかったかもしれないくらい、私は主役に期待してません。

 

 

徳川家康が主役の大河ドラマは、40年ぶりになるそうです。

 

1983年の「徳川家康」は、滝田栄主役、山岡荘八原作でした。時代劇専門チャンネルで見ました。

 

直近の大河の家康役は「麒麟がくる」の風間俊介でした。俳優専門みたいになってるけどジャニーズ所属。

 

2000年には「葵 徳川三代」があり、この時に津川雅彦が演じた家康は、その後は松村邦洋のモノマネで、いまだにお茶の間にはお馴染みだったりします。この時の脚本はジェームズ三木のオリジナルでした。

 

いささか散漫な所はありましたけど、史実には忠実に江戸幕府成立までなぞった、個人的には好きな作品でした。

 

個人的には、戦国時代を終わらせ江戸幕府元和偃武の平和を導いた家康は大好きなので、かなりハードルも高く設定してるのですが、

 

それゆえに見ていてスリリングです。もっと正直にいうと不安、『どーなってんの家康』です。

 

 

松本潤にあまり多くは望んでませんけど、大河初出演が主役と言う荷の重さは、人質から苦しんで悩んで天下人になった過程で、頼りなさを武器にして好演してると、あえて好意的に解釈します。

 

脚本の古沢氏は大河は初めてで、時代劇もほとんどやってない人なので、そこにも不安があります。

そのへんも昨年の「鎌倉殿」の三谷幸喜氏は3回目で、彼と比べるのは可哀想なんでしょうね。

 

でも史実との乖離は気になってしょうがない。みんなが知ってる戦国の三英傑揃えてる大河ドラマの大本流で、それはねえよ!と言いたくなる違和感でモヤモヤします。

 

羽柴陣営に黒田官兵衛が出てこないのは、不自然過ぎます。そりゃ徳川に負けるわ!(史実では官兵衛は大坂留守居で小牧長久手戦は撤退だけ参戦。)

 

 昨今の情勢を考えれば、かつて軍師官兵衛で主役を演じた岡田准一が今回は信長なんで、ジャニーズ俳優への忖度にさえ見えてしまいます。

 

久松家の異父弟に長尾謙杜(なにわ男子)で一話使ったり、豊臣秀頼役に作間龍斗HiHi Jets)とか、バーター出演は芸能界の常ですけど、もうちょっと節度持ってくださいよ。みなさまの公共放送なんですから。

 

 

そして私にとっては、興味あるのは

 

将来は主役を演じるであろう板垣李光人の成長。

 

家臣団では少ない戦死となる、伏見城での鳥居元忠役の音尾琢磨の熱演。

 

そしてまだ発表のない淀君です。直近は真田丸で故・竹内結子さんが演じました。

 

ここには、井上真央さんはどうですか?(「花燃ゆ」で大河主役経験者)

 

家康と互角以上の戦いをしてくれる人選に期待します。

すげぇ当てつけがましーっ!

 

大坂の陣で、東軍が勝って当たり前なんて映像作ったら、尻すぼみもたいがいにせえ!って言いますよワタシ。

 

かつて「真田丸」で豊臣秀頼役に中川大志の勇姿を見て

 

「今年こそ西軍が勝つ!」

 

と言わしめたくらいのクライマックスをお願いします。